新人養成合宿Top                                        北八ヶ岳地形図,山行表

北八,春の森と湖




新人養成,集中地偵察山行

合宿を奥秩父より北八に変更する

          , 北八ヶ岳,春の森
        まだ雪多い北八ヶ岳へ
                    s42年(1967年)04月13〜16日, m松村進,大川崇夫




   新人養成合宿までまだ1ヶ月の猶予があるものの,それまでのスケジュールが詰まり,今回の目的も偵察というより集中地の確定になる。
     小屋番の自宅に連絡するも,奥さんより現地に出向いてくれとの事。とりあえず,現地二子池に大川と訪れる。

   小屋にいる管理人と集中地の交渉確認の為。
     この交渉が主将となり初めての山行になった。吾妻山春期ツァーを終え,一週間後,北八に入る。


北八,雪の森と湖概念図                            ,  





s38年08月,北八,夏の森と湖
  車山から蓼科山南下編笠山

  h白樺湖,蓼科山,麦草峠,夏沢峠,編笠山青年小屋



s42年04月,北八,春の森と湖
  渋ノ湯―白駒池―雨池―落葉松峠⇔双子池,―八千穂 
  破線,hc1,雨池,監視員宿舎









s43年01月,
北八,冬の森と湖

  入山稲子湯,下山親湯プール平
  赤線c, c1,稲子湯
        hc2,白駒池
        hc3,停滞
        hc4,雨池,監視員宿舎
        hc5,双子池






h19年10月,北八,秋の森と湖
  赤岳鉱泉廻り,赤岳より黒百合経由唐沢鉱泉


4月13日,曇   .
14日,雪後曇
国鉄新宿23:45,\580=
5:46茅野8:40,諏訪バス\130=10:25渋ノ湯一11:37高見石:40一12:55白駒池13:3一14:20麦草分岐
  一14:50小15:03一16:05雨池,監視員宿舎hc,

      乗合バス
   今日は地方選挙の投票日,渋ノ湯へ行く途中,運転手は小学校前にバスを停め投票に行く。春の日差しをいっぱいに受けた,のどかな風景。
     乗合バスには僕等2人と地元の人,2人が乗車しただけだった。もう1週間早ければ,この辺でもスキーができたと云う。

   バスが空いていたせいか滑稽な面白い場面に出隅わした。まだ林道は今年開通したばかりか,凸凹の雪解け道。
     通り抜けが少ないせいか,チェンジレバーの変動が激しく,車掌がその動きを見き分け,掛け声を上げながら運転手を手伝っている。
     常識ではあり得ないことがこの時ばかりは自然に思えた。

   それでも時には車のバンドが激しく頭が天井に届きそうになった。その都度,私達はひもじい声をだす。
     すると運転手はにやにや笑いながら,又怒鳴りじみた声を吐く。他の者が見ていたらさぞかし漫画の一画面を思い浮かべよう。


     渋ノ湯―白駒池―雨池

      入山
   八ケ岳連山の西麓は相変わらず残雪が少ない。時々斑の雪模様が臨めるだけの山道には大きな摩石が幾つも露岩していた。
     このゴロゴロした河原を越えると尾根筋から稜線にでて,急に雪径に変わっている。それも一面の雪白い大地に覆われた。

   東方に入り白駒池から東麓に広がる斜面はまだ残雪と言うより雪山の領域を示していた。
     薄く府に跡が残されていた。ただ膝まで潜る雪斜面,トレースの溝を築き,白駒池まで駆け下りた。

      白駒山荘
   湖畔前の無人小屋,白駒山荘の軒下を借り腰を降ろしている。その時,2人の語る言葉は「コタツ,ビール,シャケ」と合言葉のよう口にする。
     それらの言葉はこの山荘に入れば得られる。ただ2人の目的は集中地の交渉にあり,先はまだ遠いい。
     双子池に着けばよいという安易な考えが,何処かに支配され,山登りと云うより,行けばよいと変な連想を起こさせていた。

   繰り返す言葉も途切れれば,大川も僕も沈黙するようなる。互いに相手の言葉を待っている。だが時間が余りにも早過ぎた。
     まだ入山したばかりでこの始末。先のことを考え重い腰を上げざる得なかった。

      雪径
   この雪に覆われた森と湖の国は何と楽しいことか。人,一人として擦れ違う人とは合わず,積雪覆う大地が見渡す限り続いている。
     雨池の雪原には僕等が今,歩んで来たトレースが1本だけ,綴られ残されている。
     兎が飛び跳ねた。僕とチョット目を合わせただけで,淡雪と奮闘しながら逃げ去った。それもスローモーションのジャンプを示すような仕草。




         , 雪径,中山峠付近

      雨池
   雨池は白駒池と比べると明るく広い雰囲気をかもち出す雪原のようだった。
     周りには黒木生い茂る森の中にあり,東方の池畔だけ切れ,草地の上の雪原が池の広がりを更に広く見せつけている。
     また対岸の西方を占める縞枯山への広い斜面も,枯れた樹林の明るさが大きな役割を果たしているようだった。湖面を煌かさせている。

   池畔は日差しを浴びた明るい粉雪で包まれ,少し蒼みの掛かった氷表が雨池を被っている。足を乗せると今にも滑りそうだ。
     スケート靴を持参すればと思う程,広いツルツルの自然のリンクができ上がっていた。
     分厚い氷は何処も硬そうだ。半透明の氷を避け,粉雪被る雪原を踏み込みながら監視小屋にでている。

   この監視員詰所を一晩お借りした。何もないプレハブの小屋が湖畔に建ち,床板が張ってあるのだけのガランとした小屋。
     それが嬉しかった。居心地は申し分なし。室内にツエルトを張っている。小屋にあった釘をペグ替わりに使わして頂いた。よく効いている。

   風雪に以外と強いプレハブ小屋,森の中でもあり,吹き込む粉雪は全く見られなかった。
     それ故,ツエルトの周りには担いできた物が散乱し小物が転がっている。外が荒れても,ここだけは靴も脱ぎ優雅な泊り場になっていた。




      白駒池で大川と

     4月15日,雪

      大川 
   昨日,大川は腹を壊し何も食べられなかった。
     それでも彼のこと。私が持参したビールだけは美味しい,美味しいと言って呑んでいる。
     折角,ボッカして来たのに私だけが楽しではと,思った為かも知れない。

   又煙草をゆっくり安らぎながら吸っていると片手にビールを持ちながら,昇る紫煙をじっと見詰めている。
     彼は禁煙中,一週間続いているとつい先ほどまで自慢していたが彼が,その言葉がさめぬうち怪しくなってきた。

   「美味そうだ!」。まではよかったが1本吸い出すと禁煙を止めたとばかり吸いだした。私のの煙草である。
     ついに一日一箱の予定も無駄になる。あればあるだけ吸い続け,その日の内に煙草は1本も残っていなかった。
     ここに我侭な男がいる。




   






                      麦草峠,茶臼山右奥,縞枯山

       雨池―双子池―八千穂

     4月15日, 雨池c11:45一12:17小:30一12:52カラ川出合13:00,デポ⇔13:50双子池14:15,一14:45分岐:55
           一15:09カラ沢峠一5:49双子池ヒュッテ16:10一18:30小海線八千穂21:18,\1300=22:10信越線小諸22:58,

      双子池
   二階建てのがっちりした小屋に改築された双子池ヒュッテは雪原のような双子池の池畔に建てられていた。
     小屋は八千穂村所有で,鷽ノ口の人達が交替で管理している。以前は米軍払い下げのカマボコ兵舎が大分前だが池畔にあったようだ。

   6,7年前,高一年の夏,霧ヶ峰から八ヶ岳を縦走し小淵沢に下りている。その折は小屋の玄関には2つの洗面器が置かれていた。
     1つは洗顔に,もう1つは手洗い用だった。

   ウジが湧いていた洗面器,湖畔であるにも係らず水不足で我慢してくださいと,小屋番に云われたことがある。
     「雨が降るぞ!」の言葉を聞き,急ぎ尻を上げたのを想いだしていた。


   管理人が暫く山に篭ってるため連絡が取れず訪れた。新人合宿集中地として現地も見なくてば。双子池で可能か如何か。
     執行部となり念の為,入山した。合宿地は例年の奥秩父を離れ,北八へ移ることが決定されている。その為の偵察山行だった。

   湖畔にある広い幕営地を確認し,薪の使用も許された。水の確保と料金も決まる。
     ここは四方から集中が可能で,最終日は全員で蓼科山越えで下山できる。ただ,その頃の残雪は疎ららしい。

      雪の八千穂へ
   小屋番に煙草を分けて貰い,快い落葉松林の丘を戻り抜け,カラ沢から後は八千穂へ下るのみだった。
     長い長い裾野の径,小雪が舞い,だらだらした径が千曲川のほとりまで続いている。

   落葉松に広い裾野が開かれ,下るにはよいが延々と続く林道。
     大岳川から石堂川沿いに下ると雪積る雪道とも切れ,傾斜は見る見るなだらかになるも先は長かった。
     左岸へ渡る道,傾斜は殆ど落ちている。ただ黙々と歩く,飽きる林道歩きが続いていた。


      八千穂駅
   新宿への最終列車に一歩遅れ小海線八千穂駅に着く。千曲川天神橋を渡った時,帳は完全に落ちた。
     長い一日が終わり,日は暮れ薄暗い闇の中,駅を見い出している。

   駅舎事務所のストーブにへばり付き,冷え切った体はジワッ〜と体の芯まで暖められた。
     顔を赤らめポカポカした気に,外は今日一日,降り注いていた雪粒が静かに舞っている。

   暫らくして熱いラーメンが大川と私の前に届けられた。私達を哀れに思ったのか,駅員からのありがたい差し入れ。
     熱くすするソバは空腹も手伝い,旨いことこの上もない。

   上野への最終列車が来るまで3時間もの長い時間,駅事務所に僕等は居座っている。
     待合室までの移動が億劫なことと,ここの居心地が好過ぎたからである。今は学生の特権と,ただ甘えていた。
     駅員との会話が楽しかった。外はまだ雪がチラホラ降っている。


     4月16日,小諸22:58=4:20上野, 新人養成山域選定に関して


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